黒い太い幹に、小さな小さな桜花が、ここにも一輪、あそこには二輪、申し訳なさそうに顔を出して迎えてくれた今年の千鳥ヶ淵の観桜会は3月24日に開催された。
「今年は皆様のご期待に添えず、ごめんなさい。もう少し暖かくならなければ、みんな出てこられないのです」
こんな口上が聞こえてきそうな、可憐な桜花に出会えたのは、新たな喜びであった。人混みがなかったからこそ、一輪一輪を愛でながらグルリと巡ることができた。
日本ボストン会の観桜会のお陰で、毎年千鳥ヶ淵の桜の様々な姿を知ることができ、その度毎の喜びや発見があり、大変有り難く思っている。
生憎のお天気にもかかわらず美しいお着物姿のご婦人方が数名いらしてた。桜の代わりに華となっていらしてくださったことに感激して思わず見とれていた。中でも佐々木様とご一緒に参加された樋口様の桜の帯は、桜に出会えなかった私たちの心を大いに満たしてくださった。
生田英機幹事のもとに数名の参加者がそろい、予定を早めて懇親会会場へと向かった。4月1日に予定なさった幹事に、「早い方が宜しくないか」と進言したのが、私一人ではなかったことか懇親会にて判明して、心苦しさの荷が何分の一か減った。
ビーター・グリーリご夫妻を観桜会にお誘いできたことも偶然からだった。ぎりぎりまでお起こしになれるか判らない状況であったが、ご夫妻がご友人のパット・ガーシック様を伴っていらしてくださることが出釆、観桜会以上の盛り上がりとなった。
今年の懇親会場では、日米の絆と、人と人とを結ぶ花が沢山咲いた思い出深い希有な夜となった。
日本ポストン会の観桜会を通して、多くの会員がボストンを愛する心、桜を愛する心で結ばれて、より豊かな交流を得られんことを祈っている、また来年もお会いできますように。
可愛いさくらさん、また来年、沢山お会いできますように!
2007年千鳥ヶ淵 さくらの口上